「結末を知る前の方が、子供たちから多様な発言が引き出せる」という理由から、資料を途中まで読んで考えさせる授業があります。その意図が生かされることもありますが、実際の授業ではむしろ子供たちの発言が制約されがちのことが多いのではないかと言われています。というのは、子供たちはどうしても、「主人公は、この後どうするか」に関心が高まり、正しい答えを推測しようとするため、自分の価値観を反映させた発言が出にくくなるからです。授業者が、後半の資料を配布したり読み聞かせたりしたとき、「当たった」「やっぱり」「はずれた」「なあんだ」のような声が出ないようにしたいものです。ただ、再現構成法のように、資料を語り聞かせながら場面ごとに問いかけていく方法も実践されています。一人一人の子供がねらいに迫ることができるような資料の提示の仕方を工夫したいものです。