展開後段は、資料から学んだことを、資料を離れて一人一人の心に返し、自分自身の生活や生き方に目を向けさせ、自己の課題をより明らかにさせる段階である。自覚の方法を紹介する。

(1)自分の生活や体験を振り返る。

(例)「主人公と似た経験をしたことはありますか。また、そのときの気持ちはどうだったでしょうか」

(2)ねらいとする価値に関する他の子供の経験を聞き合う。

(3)自分の思いを記録する。

主人公の生き方から学んだことをノートに書く。

(例)「主人公と自分とを比べ、(同じ所や違う所について)思ったことを書こう」

10 終末段階では、どのような工夫をすればよいのか。

 終末段階では、子供たちが、学習を通して考えてきた道徳的価値を自分のこととして受けとめ、自分自身のあり方を深く見つめ、自己の課題の実現に向けた取り組みへの意欲化を図れるように援助する時間である。

 教師の考えを押し付けたり、決意を発表させたりすることは避け、余韻の残る終わり方をすることが大事である。終末の例を示す。

(1)教師が説話をする。

(2)学習内容と関連の深いことわざや格言、詩を紹介する。

(3)ゲストティーチャーの話を聞かせる。

(4)家族からの手紙を読ませる。

(5)静かに黙考させる。

(6)心のノートの適切な箇所に記入する。

(7)ねらいに関係する歌を歌う。