秦梨の史跡(清水弘法)
し み ず こ う ぼ う
清水弘法
才栗町字白畑地内に,河合の里で湧き水としては量大量を誇る岩清水と館がある。館には弘法大師(僧空海)像が祀られている。この岩清水と弘法大師との関係についての記録は見当たらないが,次の,額田郡桜井寺村にある桜井寺の岩清水と空海との逸話からしてこの地にある岩清水もなんらかの関係があるものと思われる。 「弘治年間(810~823)僧空海(弘法大師)諸国巡歴の途中,桜の杖を携えてこの地の東坂を登る。樵豪あり来て言う。我は白山権現なり。汝この地に留まりて国家鎮護の秘法を行えと。空梅謹んで礼拝し,即ち庵を結びて修法す。しかるにこの地,水甚だ乏しく,空海よって彼の桜の杖をもって,地をうがけば,清水こんこんと湧き出す。これにおいて杖をその井の涯に立てて祈りていう。求法成就せばこの桜枝を生じ芽を出し花爛漫として咲き乱れる。されば,人々この霊場を慕い集まり,村をなして郷をなす。名付けて桜井寺村と称えたり……」と記されている。 この清水は年中涸れることがない。最近では遠くからこの水を汲みにくる人がかなりみられるようになった。その人たちに聞いてみると,「六甲山の水と同質のようだ」と好評であった。 |
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登録日: 2020年5月13日 /
更新日: 2020年5月14日