『 目には青葉 山ほととぎす 初鰹 』

季語:青葉(夏)/ほととぎす(夏)/初鰹(夏)

意味:目には美しい青葉が見え、山ではホトトギスが鳴き、初鰹が出回る季節だ。

 この時期は、目や耳、そして口に季節を感じることが多いなと思います。みんなはどうかな。東門付近の植え込みも緑あざやかなだけでなく、きれいに整備してくださいました。さて、この句の中の「青」は、今で言うと「緑」といった方がよいかもしれません。ちなみに、緑といっても、いろいろな表現があります。黄緑、深緑、若草、うぐいす、常磐、あさぎ色・・・・、日本人はちょっとした色の違いを感じ、言葉で表現してきました。ちょっとした違いに気づき、それにあった言葉を考えてきた私たちの祖先の人はすごいなと思います。

 今日は、1年、4年、5年生の下見の会でした。今日の矢南っ子も、いろいろな色(表情、がんばり・・・)を感じることができました。友達のがんばりに目を向け、みんななりのすてきな言葉をかけてあげたら、きっと疲れも吹きとぶと思います。

 ただ、練習を重ねていくと、ぐんぐんよくなってきたといった変化(成長)を感じるときと、そう思えないときがあります。下見の会以降の残りの時間は、ちょっとした変化(成長)にみんなで気付いて、みんなで認めて、みんなの良さにつなげていってほしいなと思います。

 昨年までの6年の国語の教科書には、「サボテンの花」というやなせたかしさんのお話が載っていました。先日、このお話で授業をしたとき、ある子が「ここのかぎかっこの言葉を、サボテンがためらわずに言ったということは、すっごく強く思っているんだよ」、またある子が「このサボテンは、見る人がいないのに、美しい花を咲かせるのはなぜだろう」と、話してくれました。この二人の言葉を聞いたとき、『読む』ことを自らの経験や考えと関係づけること、国語の授業の『文章を読む』という大切な力を二人はもっていると思いました。そして、読んだあと、自分が感じたことを言葉にして伝えてくれました。

 5月も半ばになり、授業も軌道にのってきたかと思います。授業を通して、みんなといろいろな力を身に付けられるように、みんなと先生たちで楽しい時間をつくっていきましょう。

 ちなみに、やなせたかしさんと言えば、アンパンマン!アンパンマンは、敵(てき)をゆるす心をもっています。いじわるをしてくるバイキンマンと、仲良くかたを組む場面もあります。学校生活は、いつも楽しいときばかりではありません。まわりの人とけんかをしたり、もめたりすることもあります。そんなとき、アンパンマンを思い出してほしいな。けんかをのりこえた先の「仲の良さ」。学校は、人とのかかわりを通して成長するのだと思います。