いよいよ朝夕に秋らしいひやりとした空気が漂い始めました。図書室にも湿気っぽい空気から乾いた空気へと、変化していることが肌で感じられます。

 

さて、本日紹介する本は、内村鑑三の「代表的日本人」です。

 

この本は、日本人でキリシタンでもあった内村鑑三が、歴史的にすごいと感じた偉人達について、独自の目線で語られる本である。

語られる人物はどれも歴史の教科書のどこかで見たことのあるような人物であり、さながら、歴史人物伝記をまとめたような形態となっている。

他の歴史的な事柄についてまとめた本と比べて、「日本人」という部分に強く考えが注がれ、作者の思う「サムライ魂」を考察する姿も感じられる。

 

その中でも、注目してほしい人物は「上杉鷹山」です。

この人物は破産寸前の米沢藩でわずか16歳程で藩主となり、その立て直しを余儀なくされた人物であった。

内村鑑三は、その立て直しの方法や人材の選出および登用方法などから「サムライとしての心」を強く感じたと書かれている。

 

合理的な判断と、民への慈愛に溢れたその考えは、現代の日本人から少しずつ『消えていく膝の痣』ではないだろうか。

 

気軽に歴史を振り返ることができる読書とは、まさに精神のタイムスリップといえよう。

教科書だけではない歴史の視点に触れてみてはどうだろうか。本の中で、多くの偉人たちが、想いを胸に、待っている。

ぜひ、図書室に足を運び、本を手にとり読んでみてほしいです。