1 新学習指導要領における改善点はどこか。

(1)これからの教育において育成すべき「生きる力」とは

変化の激しい社会において、いかなる場面でも他人と協調しつつ自律的に社会生活を送れるようになるために必要な、人間としての実践的な力

(2)子どもたちに必要とされる「生きる力」の核となる豊かな人間性とは

① 美しいものや自然に感動する心などの柔らかな感性

② 正義感や公正さを重んじる心

③ 生命を大切にし、人権を尊重する心などの基本的な倫理観

④ 他人を思いやる心や社会貢献の精神

⑤ 自立心、自己抑制力、責任感

⑥ 他者との共生や異質なものへの寛容

(3)道徳教育改訂の要旨

① 体験活動等を生かした心に響く道徳教育を実施するために

ア 総合的な学習の時間も含めた全ての教育活動における道徳教育を補充、深化、統合するための「かなめ」として授業時間数を確保すること(ただし、活動や体験の時間を道徳の授業としてカウントしない)

イ 各教科や領域との関連や、児童・生徒の日常生活を考慮した重点的な指導を行うこと

ウ 児童・生徒と共に考え、悩み、感動を共有していく姿勢で指導すること

エ 道徳的価値の自覚が一層図られるように、体験を生かした多様な取組を工夫すること

オ 魅力的な教材の開発、活用を図ること

カ 校長が指導力を発揮し、全職員で協力しながら学校全体で道徳教育に取り組むこと

② 家庭や地域の人々の協力による開かれた道徳教育を充実するために

ア 地域の人材を活用すること

イ 授業の実施において保護者の積極的な参加を求めること

ウ 小中の連携を図った指導を行うこと

エ 家庭や地域で行った体験を生かしながら授業を行うこと

③ 未来へ向けて自らが課題に取り組め、共に考える道徳教育を推進するために

ア 児童・生徒が自らの人生や社会を切り拓いていったり、夢や希望をもって自らの人生や社会を切り拓いていけるような力を育てられる指導を工夫すること