令和3年度 研究主題について

                            現職研修委員会特別活動部

1 令和3年度の研究主題(継続)

「多様な他者と協働し たくましく実践する力を育てる特別活動」

    ~主体的・対話的で深い学びを得られる集団活動を通して~ 

 

2 研究主題設定の理由

学校は勉強する場所である。同時に,良好な人間関係がどのようなものかを,経験を通して身に付ける場所でもある。しかし,自分から進んで友達作りに励むことを苦手とし,また,一方的に自分の考えを伝えることに終始する児童・生徒が,以前よりも増えているのではないだろうか。現代の若者たちが自分自身の問題として最も挙げた課題(内閣府の「子ども・若者白書 令和2年度版)が「人づきあいが苦手だから」(55.4%)であった。義務教育期間中に,適切な経験,時には失敗から学ぶことも含めて,コミュニケーション能力を向上するための経験が不足していることが要因だと考えられる。

 このような状況の中,「多様な他者と協働し たくましく」生きていく力を身に付けることは必要不可欠である。集団活動を通じて社会性を育てるためにも,集団の中で互いを尊重しながら,好ましい人間関係の構築を目指そうとする特別活動の意義は大きい。また,「なすことによって学ぶ」の言葉のように,さまざまな体験活動により一人一人の子供がそれぞれに達成感や成功体験を得る機会を多くもつ特別活動での学びが,今こそ重要なのである。

 そこで前年度から継続し,今年度研究主題を「多様な他者と協働し たくましく実践する力を育てる特別活動~主体的・対話的で深い学びを得られる集団活動を通して~」とした。

子供は,学級や学校という規模の異なる集団において,自分らしさを生かし,仲間から認められる経験を通して自信を高めること(キャリア発達)で,豊かな心を育み,胸を張って主体的にさまざまな活動に取り組み,学校生活を楽しく送ることができるようになる。集団活動では,自分一人だけではできないような活動を,友達とともに企画・運営する中で,自己主張をする場面や衝突を伴う場面もあるだろう。そのような中で,他者との折り合いをつけることを学ぶことで,よりよい人間関係を築き,社会性を身に付けていくこととなる。このような姿が見られる活動を「主体的・対話的で深い学びを得られる集団活動」と呼ぶことにする。この活動の中心は,親密で即時性をもって所属感を得られる集団,すなわち,学級が中心となることも忘れてはならない。

 これらをふまえ,学級活動・児童会・生徒会活動・クラブ活動(小学校)・学校行事で具体的な実践を展開していきたい。特別活動全体の方向として,次の4点を具体的目標とする。

テキスト ボックス: ①	自らのよさや可能性を集団の中で発揮しながら、他者のよさも認められるような活動の充実を図る。                     (自己有用感・他者理解)
②	より豊かな生活を築くことができる生き方指導の充実を図る。(キャリア教育の充実)
③	話合活動を基盤とした自治的な実践を通して、達成感を得られる活動の充実を図る。    
(自己決定・折り合い)
④	地域や社会に目を向け、積極的に奉仕的活動に取り組めるような展開を図る。
(社会参画への意識)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

この4点を中心に子供一人ひとりの前向きな態度の育成,活動場面の設定,とるべき手立てなどについて研究を深め,実践記録や教育論文に生かせるようにしたい。