研究の概要
Ⅰ 研究の概要
1 研究主題
自ら進んで学び続ける子の育成
~その子らしい思いや考えなどを共感的に聞き合うことで、のびのびと学び合う授業づくりを目指して~
私たちは、子供たちに確かな学力をつけたいと、毎日の授業に臨んでいる。確かな学力とは、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得、そして、これらを活用した課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力と考えている。こうした確かな学力の習得のために、学習意欲の向上、学習に取り組む主体的な態度、そして、学習習慣を確立することが大切であると考え、研究主題を設定した。令和5年度から、過去の研究の積み上げを活かしながら、本校の課題の一つである「学んだことを進んで発信する力」に重点を置き、自ら進んで学び続ける子の育成を目指してきた。それにより、自分で調べたことや考えたことを発信する力が育ちつつある。本年度は発信力の向上と学びのルールの徹底を基にしながら、子供たちの一人一人の思いを大切にしながら、主体的に学び続ける子の育成を進める授業の展開を追究していきたい。
2 目指す子供像
校訓「自立」のもと、研究テーマ「学習習慣の確立」に視点を当て、目指す子供像を「自ら進んで学び続ける子」とした。目指す子供像「自ら進んで学び続ける子を具体的に、次のように定義した。
「自ら進んで学び続ける子」
・自分なりの課題を見つけ、進んで課題追究に取り組める子
・自分の考えや思いを進んで発信しようとする子
・友達の発言を共感的に聞き、自分の考えを深めることができる子
3 研究の仮説
学習課題に対して、一人一人が予想や見通しを立てて取り組み、自己の考えを発信し、互いの思いを共感的に聞き合う中で考えを練り直し、最後に学習を振り返るというプロセスを継続していけば、自ら進んで学び続ける子に育つであろう。
4 今年度の研究の視点
(1)「コメントシート」の活用による家庭との連携強化
各教科へのコメントシートの活用で、教師がいろいろ工夫しながらコメントシートにとりくむようになった。ワークシートや作品などから、保護者が学習の様子を知り、コメントシートにがんばりを認めたり褒めたりする言葉を書くことで、子供たちは学習への意欲を高めることができている。また、見方を広げたり、新しい視点に気づくことにつながったりすることもある。保護者にはコメントについて子供との会話をもつようにしてもらい、子供たちの意欲向上につなげていきたい。
(2)学びのルールの確立
授業を行う上での基本を児童がしっかりと守ることができるよう心がけ、授業に臨む。また、児童が自分で意識的できるように、学びのルールを黒板上に掲示する。チェックシートを用いて、学期末に振り返りができるようにする。
(3)伝える力と発信する力の向上
わくわくワークショップ後の児童のアンケートからは、自分で考えたことを発表することに苦手意識をもっている児童が減ってきていることが分かった。しかし、実際の発表の様子を見ていると、ノートに書いてあることを読んでいたり、ときどき他の児童の方を見ることができているが、教師に向かって発表する児童もいて、まだまだ発信力が向上したとは言い難い状態であると感じる。そこで、児童、保護者、地域の方たちの前で発表する機会を引き続きもつようにしたり、学級会や全校集会などで司会を輪番制で行ったりするなど、小規模校の良さを生かし、すべての子どもに人前に出る機会を与えていきたい。
①わくわくプロジェクトE の活用
子供たちがそれぞれの課題を追求していくことで、周りへ発信したいという意欲の高まりが認められた。調べたこと、分かったことを学校中へ発信したり、家庭や学区に発信したりする場を引き続きつくっていく。発表の際には、「場面」「相手」「目的」を意識した発表の内容・工夫ができるようにしていきたい。
(4)一人一人の考えを活かした授業づくり
昨年度は「見つけ学習」を取り入れることで、子供たちの探究心的な意欲を引き出し、一問一答式・講義式の授業からの脱却を図り、問題解決的な学習を展開することを目指してきた。発言の際に「たぶん」などの言葉を用いることで、発言への抵抗を減らすことができた。子供たちには全員参加の意識が高まった。自分の意見に対しての賛同や称賛が得られたことで、学習後に達成感を味わうことができた。
①正解を見つける授業ではなく、自分の考えに自信をもてる授業づくり
授業の導入で、子どもに驚きや疑問を感じさせるような具体物・具体的な資料を提示する。そこから見つけたことや自分が思ったことを自由に発言できるような学習課題を作成する。正解を導く課題ではなく、自由に発言できるということで、安心感が生まれ、子どもの追究意欲がわき、学習意欲の継続を図ることができる。教師は、子供たちが自信をもって学習に取り組めるような学習課題の作成を工夫していく必要がある。また、安心て発言できるように、「たぶん」などを用いて発言するよう推奨していく。
②関わり合う場の設定
これまでの研究実践から、進んで発言する子供、大きな声ではっきりと伝える子供がまだ少ないのではないかという課題が残された。それは、自分の考えに自信がもてないことと、友達に認めてもらえるだろうかという不安からだと推測される。そこで、自分の意見を安心して発表しあえる場を保障していく。子どもたちが安心して自分の考えを伝えられるように、聞く側の態度をしっかり育てていきたい。発言する友達の方へ体を向けたり、うなずいたり、「たしかに」「そうか」などアイコンタクトを取りながら聞き合えるようにしていく。また、児童対教師となることを防ぐように、座席をコの字にするなど工夫して、聞く側の肯定的な態度を育てていきたい。
③学びの振り返りの場の保障
各授業の最後の5分間で、「振り返り」の時間を設定する。振り返りの前には、本時のまとめをしっかりおこなっていく。振り返りは、単にその授業の感想ではなく、その授業を終えて解決した疑問点や新たに調べたいこと、他者の意見を聞いて思ったことなどを書くようにし、子どもの学びの継続を図る力となるようにしたい。
④一人一人に合った追究過程
教師が一人一人をじっくり見とることができるという少人数学級の特性を生かし、一人一人に合った追求過程を進めていく学習を展開していく。学習課題に対し、学習方法、学習時間、学習形態、情報収集の方法など子供たちが自分で考えて、主体的に学習を進めていく力を育てていけるような支援の仕方を模索していく。

