熱中症事故防止について

1 熱中症事故防止対策

①  児童の健康状態や個人差に配慮

・常に健康観察を行い、児童の健康管理に留意する。

・児童の運動技能や体力の実態、疲労の状態等を常に把握するように努め、異状がみられたら、速やかに必要な措置(水分補給、休憩)をとる。

・児童が心身に不調を感じたら申し出て休むよう習慣付け、無理をさせない。

②環境条件に注意(「熱中症予防のための運動指針」参照)

・暑い季節の運動や作業は、なるべく涼しい時間帯に行う。

・運動や作業が長時間に渡る場合は、こまめに休憩をとる。

③こまめに水分を補給

・一人一人の状態に応じて、こまめに水分を補給する。

(0.2%程度の食塩水や市販のスポーツドリンクなどが有効)

・暑さに慣れるまでは、短時間の軽めの運動から始め徐々に暑さに慣らす。

・休日明け、病気の後、しばらく運動をしなかったとき、宿泊学習などで注意する。

④できるだけ薄着にし、直射日光は帽子で避ける。

・軽装にして、吸湿性や通気性のよい素材の服装を心がける。

・直射日光に当たる場合は、帽子を着用し、暑さを防ぐ。

・防具を着けるスポーツでは、休憩中に防具を緩め、暑さを逃がす。

⑤屋内や運動時以外も注意

・湿度の高いとき、室内で多くの児童が密集しているときなどは注意する。

⑥熱中症について啓発

・日ごろから児童、保護者に熱中症についての知識・予防等について啓発する。

2 運動に関する指針(日本体育協会1994)

気温

WBGT温度

熱中症予防のための運動指針

35℃以上

31℃以上 

運動は原則中止

特別の場合以外は、運動を中止する。

31~35℃

28~31度

厳重警戒

熱中症の危険が高いので、激しい運動や熱負担の大きい運動は避ける。
運動をする場合には、積極的な休憩と水分補給を行う。
体力が低い者や暑さに慣れていない者は運動を中止する。

28~31℃

25~28度

警戒

熱中症の危険が増すので、積極的に休息をとり、水分を補給する。
激しい運動では30分おきくらいに休憩をとる。

24~28℃

21~25度

注意

熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。
熱中症の兆候に注意し、運動の合間に積極的に水分を補給する。

24℃まで

21度まで

ほぼ安全

通常は、熱中症の危険は小さいが、適宜水分の補給は必要である。
マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生する場合がある。