◆ 読書研究

1 根石の読書について

 発端・・・本を読まなくなった子供たちの実態を受け、「一日の少しの時間でもいいから、本を読み浸る時間を子供と一緒に持ちたい。」「子供に一冊でもいいから心に残る本と出合わせたい。」という当時(40年前)の先生方の思いから始まった

〔根石小の読書が目指してきたもの〕
 本に浸る時間を作る。心に残る本に出合わせる。→ 本好きな子を育てる。豊かな心を育む。
※ 本好きな子と豊かな心の2本立てととらえるというより、本の世界に浸り、心を開放する楽しさを知る。
  本から多くの学びを得る。
   → 心を耕し、心豊かになる。
 
〔根石の読書のよさ〕
① 担任による継続的な読み聞かせであること
 担任による継続的な読み聞かせをすることで、担任と子ども、子供同士のふれあいを通し、温かい時間の中で本を楽しむことができる。子供をよく知る担任だからこそ、子供の実態に合った本を適切なタイミングで与えたり、子供の成長ぶりを認めたりすることができる。
② 集団読書であること
 読書は、個人的な活動で自己完結的に楽しむことも多い。しかし、同じ本から感じる中身は、読み手に委ねられる部分も多い。根石の読書は、これまで「ゴールフリー」を大切にして、全員が自由に感想発表する時間をふれあい読書の中に位置づけてきた。様々な感じ方を表出し合うことで、本をより豊かに読み味わうことにつながることが期待できる。また、同じ本を皆で読み深めたという共通体験は、子供たちの心の中に残り、生活の中でしばしば共通の話題として登場する。本を介して楽しい時間を共有する体験を重ねられることも集団で読書をするよさと言えるだろう。
〔根石の読書のこだわり〕
 本の楽しさを味わうことを目的とし、それ以上でもそれ以下でもない。
 感想発表の内容は、ゴールフリーが根石の読書のこだわり。どんな感想も認め、様々な感じ方を出し合わせることが本の楽しさを広げると考える。表現力や語彙力、読解力を高めさせるために指導するのは、本が手段となってしまう。より豊かに本を読み味わわせるための工夫を追究したい。
 

2 読書研究について

(1)昨年度からの方向性
 根石小の子供たちは、日々、多くの本と出合い、本に親しむ機会が多く与えられている。しかし、シャワーのように浴び続けているだけで、「一人読みのよさ」を味わうところにまで至らない子も見られる。将来的に本に帰ってくる子をと考えれば、本の世界を自分の中で広げ楽しむ個人読書のよさを味わわせる必要があるだろう。そこで、本年度は、個人読書を推進する一手を加えて、「本好きな子」を「本の楽しさを味わい、進んで本を読もうとする子」と具体化して目指したい。
 
(2)読書研究 目指す子供像(継続)
 本の楽しさを味わい、進んで本を読もうとする子
☆ ふれあい読書の時間は、本の楽しさを味わう時間にする。そこが入口になって、自分で本を進んで読んでみようという思いを高め、一人読みの楽しさを味わわせることができれば、本が好きな子供になるだろう。
 
(3)読書研究 研究主題と仮説
「ひびく読み声 心ふれあう読書活動-読み聞かせと感想交流からの高まりと広がり-」
 
 
仮説1
 担任による継続的な読み聞かせをし、温かい雰囲気の中で子供の実態に合った多くの本に出合わせることができれば、本の楽しさを味わう機会が増え、本を読むのが楽しいという思いが高まるだろう。(アンケートで検証・広がり部)
 
 
手だて1
 子供たちの発達段階や読書傾向をつかみ、「本の森」を中心とした蔵書の中から適した本を適宜選んで読み聞かせる。(全担任・読書環境部)
 
手だて2
 本の世界に浸りやすくするために、担任の読み聞かせ技術を向上させる。(読書研修部会)
 
仮説2
 読み聞かせの後、本から様々に感じたことを発表し合えば、友達の意見に共感したり、読みが深まったり、新しい視点に気がついたりして、本をより豊かに読み味わうことができるだろう。
(感想の内容・カードなどから検証・読書研究協議会、実践記録集等・読書研究部)
 
手だて3
 感想発表への意欲を高めたり、よさを認めたり広げたりするために、教師が意図をもった言葉かけを返すようにする。
 
仮説3
「親しむ」「広げる」「深める」「つなげる」姿を目指した様々な工夫ある読書活動を行えば、本の楽しさを知ったり、本の楽しみ方の幅を広げたりして、本を読みたいという思いを高めることができるだろう。
 
手だて4
 発達段階に合わせて「親しむ」「広げる」「深める」「つなげる」読書を意識した読書活動が行えるよう計画を立て、調整をする。(謊書研究部)
 
手だて5
 本の紹介コーナーや続き話書きコンテスト、交流読書週間の設定など、広げた楽しみ方を実行できるような場の設定や企画を行う。(広がり部・図書委員会)
 
〔様々な工夫ある読書活動〕以下に挙げる4つの子供の姿を目指した活動のこと
親しむ姿・・・本との出会いを楽しむ姿(読み聞かせは基本的にこの姿を目指す)
広げる姿・・・○ 本の楽しさを周りへ広げる姿。(友達に本を紹介する活動や語りの会など)
○ 同じ作家の本、様々なジャンルの本へと読み広げる姿。
(ブックトーク・読書紹介等の手だてが考えられる)
深める姿・・・本の世界をより深く楽しむ姿。
(続き話書き・一枚絵本・粘土遊びで表現・作者や登 場人物への手紙など)
つなげる姿・・・本で学んだことを生活に生かす姿。
(本がきっかけとなって、もっと調べよう活動しようなどと動き出す。本に載っていることを本当か試したり、生活の中で活用しようとしたりするなど。
 
仮説4
 本を手に取りやすい読書環境を整えたり、個人読書を推進する場を設定したりすれば、自分で本を読む楽しさを経験する機会が増え、進んで本を読もうとするだろう。
(ブックトーク後のブックリスト・図書館貸し出し記録・アンケート等から検証
・・・読書環境部・広がり部)
 
手だて5
 図書館、おとぎの国、総学館、わくわく館等の読書環境の整備と読書月間や図書集会などの個人読書推進活動を行う。(読書環境部・広がり部・図書委員会)
[活動例](図書委員や企画委員、全校募集など、子供から案が出るよう促したい)
○一人読みを推奨する読書週間
  低学年は、3学期に一人読み週間を作る。
  中学年は、2学期末・3学期末
  高学年は、毎学期末に一人読み週間を作る。
○ 図書館・おとぎの国に本を選びやすい環境
(季節やテーマごとの展示、先生のおすすめ、シリー ズもの)
○ 日直スピーチでお気に入りの本を紹介し、題名等を掲示する。読んだらシールなど
交流学級でやってもおもしろそう。
○ 紹介カード掲示板の設置 自由に書けるように紙を準備してもいいし、学級で取り組んでも
○ H12実践 5松語りの(読書研でいかかでしよう)自分のお気に入りの本について語る。
○ 休み時間に 雨の日 ふれあい読書や交流読書(交流学級で読み聞かせ)を行ったこともある。
○ 続き話コンテスト お題となる本を示し、続き話を書いて掲示するなど