【6月8日】

 休校による勉強の遅れやメンタルケアについて心配する声は多く聞こえてきますが、学習スキルの低下はあまり指摘されていないと思います。例えば1週間、文字を書かないだけで筆圧は落ちます。筆圧が落ちるとノートを取るのが遅れ、授業についていけなくなるのです。

 

 学校は休校中に子供の学習スキルが落ちているという認識に立って、遅れている学習指導要領の内容を無理やり詰め込むよりは、むしろ学習スキルをきちんと自学自習ができるところまで伸ばすことに力を注ぐべきです。

 学習の遅れを取り戻すために、大量の知識を暗記させたり、計算ドリルばかりをやらせたりするのではなく、どうやってノートを取るべきか、どうやって算数の文章を読み解くかなど、基本的な学習スキルを身に付けさせる方が実は早道です。

 自学自習できる力さえあれば、感染の第2波、第3波が来て、再び休校という事態になったとしても、教科書と教材さえ手元にあれば、自力で学習に取り組んでいけるようになります。どの子供も、自学自習ができるレベルにもっていく。これこそが今、学校が一番意識しなければいけないことなのです。

 学校が再開したばかりのころは子供も嬉しいでしょうが、久しぶりの集団生活に疲れも出ることでしょう。ただでさえ、学習の遅れを取り戻そうと教員はプレッシャーを感じていますし、感染防止の指導が徹底されれば徹底されるほど、行動を制限される子供たちはストレスを抱えることになります。学校嫌いや勉強嫌いが今まで以上に増えないか心配です。学校が再開されるにあたって、まずやるべきことは、学習に必要な基本的なスキルを取り戻すリハビリなのです。

                       (国立情報学研究所 新井紀子教授 教育新聞6月8日号)

 12日まで15時下校の6時間授業にして、まずは新型コロナウイルス対策に則した生活に慣れることを優先しました。上記の新井先生のおっしゃる「リハビリ」期間です。7時間授業16時下校は来週から始め、授業に本格的にシフトしていきます。それと同時に、部活動を軽い練習からスタートします。水泳の大会までの日程を考えると、日数の少なさに不安を覚えますが、まず、安全第一でスタートします。学校休校中の3か月ほぼ運動をしてこなかった子どももいるからです。

 本日付けの教育新聞にコラムとして掲載されていた新井紀子先生(『AI VS 教科書が読めない子どもたち』『AIに負けない子どもを育てる』の著者)の文を読んで、本校が時間をかけて学校再開している基本的な考えそのものと感じました。職員と情報共有しましたが、保護者の皆様とも共有を図りたく、載せさせていただきました。

 時間差で行っている昼の放課のワンカットです。まだ1、2年生が出てきていませんが、30度を超えた暑い日中、多くの子供たちが、ソーシャルディスタンスを意識しながら、遊んでいます。時間差の教室への入場や、その前の給食の準備、片付けも声をかけなくても行えるようになってきました。時間差があるので、入室前の手洗い、トイレの使用もスムーズです。

 熱中症への配慮を考える必要も出てきました。こちらにつきましては、WBGTの暑さ指数を測り始めました。

【6月12日】

蒸し暑い でも 子供も大人も頑張ります   

 保健室です。

 暑い日が多くなり、体調を崩す子も何人かいます。待機できる部屋が近くにないので、カーテンで仕切り、けがなどの子供たちとセパレートしています。

 暑さに対抗する体力の面でも、新型コロナウイルスに対抗する免疫力の面でも、生活リズムの大切さは変わりません。特に子供の成長にとって生活リズムはすべての土台です。                              

                        

 

 

                   

                                                                         

 1年生の算数の授業です。

 数図ブロックを使って、手元で操作しながら、数と出会っています。「あか~」「あお~」と小さくつぶやきながら先生の手元に注目しているのが、微笑ましかったです。

 湿気の多い日でしたが、集中していました。

 立派です。 

 

 

                                                                                                                                                                    

 

 

 

 3年生の算数の授業です。

 割り算との出会いの勉強です。

 2問とも15枚の色紙を分けるのは同じなのですが、3人に同じ数ずつなのか、3枚ずつなのかが違います。

 でも、解くための式は同じ。

 じゃあ、答えの単位は?                                       

 少しずつ考えながら、生活の中で割り算を使うのはどういう時か理解していきます。意欲的に手を挙げていました。

 

                  

                                          

 5年生の理科の授業です。

 5年生の先生は、学校が休校中に、植物の発芽の様子を写真やビデオに収めていました。6月に種を植え始めたのでは授業がどんどん遅れてしまうからです。理科は実験・観察で学習を進めることが多く、本当は実物を見ながらのほうがいいのです。しかし、5年生は特にその季節でないと観察ができないものも多く、1年間を見越して準備しました。

 学校のある部屋に夜中もずっと電気がついていたのはこの撮影のためでした。                                               

 

 

 

                   

                                         

 3年生の書写の授業です。

 よい姿勢で、先生が紙を配るのを待っています。新型コロナウイルス対策前は、係の子供が動くなどしていましたが、こういうところも接触を避けています。

 子供が動くと、墨をこぼしたり、人の筆先が服に当たったりしました。そういうことは減るのかもしれませんが・・・。                               

                              

 

                  

 

 

 

 

                         

 6年生の英語の授業です。

 距離を保ちながら、ALTと会話しています。

 会話が大事な英語は声を出すことやコミュニケーションの場面をどう行うかに悩むところです。

 誕生日など自己紹介の内容を確認しながら進めていました。

 さて、オンライン個別最適化学習の学習ソフトについてのご連絡を来週にいたします。今週、各ご家庭にパソコンやタブレットなどのデバイスの調査をさせていただいたのは、そのための準備です。最初は、各ご家庭のお持ちのものでスタートしますが(新たに購入する必要はありません)、今年度中に4~6年生には全員、岡崎市より個人用タブレットが支給され、中3まで大切にお使いいただくことになります。

【6月18日】 

 いつまで、この生活を続けるのかなあ

 今日は、少し過ごしやすい日でした。

 たくさんの子供たちが集まる学校の悩みのひとつが、新型コロナ対策で不自由な生活を強いられることです。5月21日の再開以来、ソーシャルディスタンスをとり、何かする前と後に手洗いを徹底し、授業は対話を避けながら、歌もリコーダー演奏も自粛し、体育は接触したり道具を一緒に使うものは避け、給食は前向き、話さず、教員中心の配膳を自席で待ち、放課はボディータッチを避けた遊びをして・・・。と様々子供たちは自粛生活を送っています。実は、注意を促す教師側も、学校で一番楽しく大切な活動を我慢させることにかなりのストレスを感じています。放課に席を立って大きな声で戯れる子供たち。子供たちの楽しそうな顔を見ると、ついついウイルス対策より幸せな時間を優先したくなる私たちがいます。

 しかし、名古屋市で中学生が感染したことが昨日発表されました。今日は、もう一度、大切な人にウイルスをうつさないという原点に立ち返る確認を教職員でしたところです。

 何時から、何がやれるようになるのか、工夫もしながら進めていきます。本来子供たちは、触れ合いたいし、大人よりお互いの距離が近い生活をしています。1年生に至っては数年前まで抱っこされ家族のぬくもりの中で毎日を過ごしていました。その子供たちに「離れなさい」と言うつらさ。私たちは、忘れそうになりがちな時期を見据えて、なぜそうしなければいけないかの理由を伝えながら、withコロナの新しい生活様式に対応しようとしています。ただ、いつもいつも理由付けをして注意するのも難しく、「先生は僕のことをしかってばかり。僕のこと嫌いなんだ」と思う子も出てくるかもしれません。どうか、意味をご理解の上、先生たちは好き好んでやっているのではない、先生たちもつらいんだよとご家庭でお伝えいただけると幸いです。