福岡小学校の伝統の一つに、児童詩教育があります。

 詩は、子どもにとって、心の在りようを伝える写真です。子どもたちは、学校生活においてさまざまな場面を詩に表現してきました。詩の題材は、運動会やからだレッスンなど、学校行事の感動を取り上げたり、あるときには、日常の中の友達とのふれ合いの中での気づきを書いたりします。また、下学年では、自然や生き物とのかかわりに目を向けたり、上学年では、自分に目を向けて、将来の夢を詩にこめて書いたりもします。心の中の、喜怒哀楽のアンテナを伸ばし、それが揺れ動くたびに、子どもたちは心のシャッターを切るのです。児童詩に取り組むことで、子どもたちの心は豊かにふくらんできました。

 その作品は、毎年、学校詩集という形にまとめられ、平成20年度には39号となりました。福岡学校詩集は、親の世代から子へ受け継がれ、家族の思い出の交差点としての役割になっています。

 福岡の心の教育ともいえる児童詩教育。これからも、子どもたちの心を、広く、深く、豊かに耕していきます。

 

 

第39号 学校詩集より

おるすばん                  1年 男子児童

「こうくん、ほいくえんのおむかえにいってくるから、まっててね。」

おかあさんがいったよ

「ぼくもいく。」

って ぼくがいうと

「すぐかえってくるから、まっててね。」

っていって いっちゃたよ

 

でんわがなったら どうしよう

ピンポーンがなったら どうしよう

どろぼうがきたら どうしよう

こわくなって

おかあさんのけいたいに

でんわをしたよ

でも

つながらなかったよ

 

2かいめも 3かいめも

4かいめも つながらなかったから

なみだが こぼれてきて

どきどき どきどきしたんだよ

あせも いっぱいかいて

ふくが べちょべちょになったよ

 

おちついて

もう1かい かけようとおもったら

おとうさんのけいたいに

かけていたことに きづいたよ

やっと おかあさんにつながると

「もう、いえのちかくまできているよ。」

って いったから

どきどきが とまったよ

 

そして

スケーターでむかえにいったよ

じてん車のおかあさんと

しょうたろうがてをふってきたよ

二人のかおをみたら

また なみだが出てきたよ

 

やっぱり

おるすばんは だいきらいだよ